1979年7月21日、南紀白浜空港を目指し
羽田空港を離陸した東亜国内航空381便の
YS-11(JA8656「あかし」)が上空で
左側の車輪が出ない異常トラブルに見舞われました。
この東亜国内航空381便には乗客乗員71名がいましたが
乗客の中には大物女優の由美かおるの姿も。
乗客乗員の命を守るため当時国内最年少で機長になった
パイロットの塚原利夫機長は
左側の車輪が出せないまま片脚での胴体着陸という方法を選択。
詳細は10月19日放送の「世にも不思議なランキング」でも取り上げられます。
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東亜国内航空機羽田空港胴体着陸事故
事故原因は組み立てミス
なぜ東亜国内航空381便は離陸後に
左側の車輪が出せなくなってしまったのか？
原因は整備作業において左主脚格納時のロック機構の
組み立てを誤ってしまった為に離陸後の車輪を格納させた際
拍子で部品が破損してしまい車輪が出せなくなってしまったと
推定されています。
原因は組み立てミスという初歩的なものでした。
ちなみに、塚原利夫機長は今でもその部品を持っているそうです。
塚原利夫機長の機転
機長は離陸後に車輪の収納ランプが消えない事を不審に思い
副操縦士に再度車輪を出して格納し直すように指示します。
機長はこの時に左側の車輪が出ない事に気づきました。
機長はすぐさま羽田空港に引き返すことを決めます。
しかし左側の車輪が出ないため前輪と右側の車輪だけでの着地となり
場合によっては胴体着陸となる可能性もあります。
機体に燃料が多く残っていれば
最悪、爆発炎上してしまう可能性も考えられるので
上空を旋回してギリギリまで燃料を消費させることとなります。
離陸直後ということもあって機体にはかなりの燃料が残っていました。
乗客に事態を説明しつつ2時間以上も上空を旋回していると
普通であれば乗客の不安はかなり高まり
パニック状態になるまで想像出来ます。
そこで機長はなんとコックピットに乗客を招き入れ
普段通り冷静に操縦している様子を見てもらう事で
乗客に安心してもらうよう考えました。
普段は決して入る事の出来ないコックピットに
記念撮影まで行う乗客もいたようです。
機長の狙い通り乗客を安心させる効果は抜群だったようです。
機長の機転により緊急事態にも関わらず
機内は終始落ち着いていたといいます。
無事着陸に成功
上空を旋回し続けてようやく燃料がなくなってきたので
前輪と右車輪だけでの着陸を試みます。
着陸直前に機長は
「ジェットコースターを1、2分楽しんでください」
と乗客にアナウンスしたようです。
着陸態勢に入り前輪と右車輪だけで
上手く着陸したようにも見えましたが
停止する直前で機体は左に傾き
胴体を擦りながら滑走路を外れて停止。
結果的に胴体着陸となりました。
実はこの胴体着陸も機長の狙い通りだったようです。
というのも滑走路前方に排水溝が見えたので
前輪を取られるのを避けるために
機長がわざとバランスを崩させ停止させたのでした。
機長の機転もあり乗員乗客71人は全員無事でした。
ちなみに塚原利夫機長は
当初このフライトに乗る予定はなかったのですが
欠員が出たため急遽ピンチヒッターとして
同機に搭乗することになったそうです。
乗客には女優の由美かおるも
この東亜国内航空381便の乗客の中には
大物女優の由美かおるも搭乗していました。
南紀白浜で行われる午後のステージに出るため
偶然乗り合わせていたようです。
由美かおるが乗っているという事でマスコミも空港に殺到
女優が乗っていたことでさらに騒ぎが大きくなりました。
マスコミが来たこともあって現在でも着陸の一部始終の動画が
youtubeなどで見ることが出来ます。
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2015-10-18
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